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次の世代に良い循環を作りたい。「任せる」マネジメントで開発をリード

2022/12/01

事業本部 Development ファンクション
開発責任者 シニアエンジニア
西村 晴輝

※所属組織名、役職やPJの内容などはインタビュー当時のものです。

ピクシーダストテクノロジーズへの入社の経緯を教えてください。

大学院で理工学研究科の博士課程まで学び、その後、総合電機メーカーの研究所へ就職しました。博士課程まで進んだのは、アカデミックな領域で次の世代を育てるような仕事に携わりたいと思ったからです。また大学で研究をする中で、研究したものを世に出すことの大切さを感じ、会社で研究開発したものを世の中に出していく仕事に携わりたいと思ったのが、1社目を選んだ理由です。

ピクシーダストテクノロジーズ(以下、PxDT)に転職する直前は自動運転の外界認識アルゴリズム開発を行っていました。大企業では、細分化された組織の中で仕事をするため、一つの領域に関してとても深く仕事ができるというメリットがあります。一方で、私はプロジェクト全体の中で自分の与えられた業務の立ち位置を見失うことがあり、「なぜやるのか?」を意識し、システム全体を設計できる人になりたいと思い、転職活動を始め、ご縁がありPxDTへ入社することになりました。

PxDTでは0から作り上げるのでやりがいもありますし、「なぜやっているのか?」をメンバー一人ひとりが語れるので、プロジェクトを語る言葉に魂が宿るように感じています。

現在は、どのようなプロジェクトに携わっていますか。

弊社独自のマイクを用いた難聴者向けコミュニケーション支援サービスを開発しています。

このプロジェクトは、難聴者の社会的な交流を増やし、様々な分野でさらに活躍して頂くことをめざして開発をスタートしました。難聴者の場合、認知症の発症リスクがおよそ2倍になるというデータがあります。難聴者は会話のコミュニケーションに入りづらいため孤独を感じやすく、認知症につながりやすいと言われています。しかも難聴者の8割は補聴器をつけないそうです。補聴器は費用も高い上に、複数人との会話では誰が何を話しているのか分かりづらく、使いづらいと言われています。

そうした課題に対し、音声情報から「誰が何を話したのか」という視覚情報に変換し提供することで、難聴の方を含めた皆がコミュニケーションを楽しめるものを開発しようとしています。

具体的には、マイクのハードウェア・エッジ処理から、サーバー、表示アプリケーションと、多岐に渡る開発をチームで行っています。このマイクは小さくて持ち運びもしやすく、複数人との会話でも、誰が何を話しているかを見える化できるのがサービスの特徴です。現在、同様の技術を用いたスマートグラスの開発も進めております。

チーム体制や、その中で担われている役割を教えてください。

チーム体制としては、ビジネスサイド3名、エンジニア15名で社内で1番の大所帯です。エンジニアに関しては、回路設計、アルゴリズム、サーバーのインフラ・バックエンド、フロントエンド、モバイルアプリ・・・と、少数精鋭で様々な専門領域を持つエンジニアが在籍しています。おそらく、社内のプロジェクトで最もエンジニアのバラエティに富んでいると思います。というのも、マイクを作るだけでなく、プロダクトを含めたIoTのサービスになるため、ソフトウェアの技術も必要になるからです。私はその中で、開発グループリーダーとして主に音声信号処理アルゴリズム開発を担当しながら、プロダクトとサービスのローンチに向け、開発チームをリードしています。
 

エンジニアだけでなくビジネスサイドなど様々な職種のメンバーと関わりますので、スムーズな連携のため、情報はすぐに共有するようにしています。物理的にも心理的にもとても距離が近く、日頃からコミュニケーションを取れているので、開発計画の変更を余儀なくされたり、どの開発を進めるべきか確信が持てない状態で進めてしまうことが全くないのは良さだと感じています。

また、開発チームをリードする立場としては、細かくマネジメントをしないようにしています。特にこのプロジェクトには幅広い技術が必要ですが、それを全て知っている人は世の中にごくわずかだと思います。私はこれまでアルゴリズムの開発をやってきましたが、やはり全てに精通しているわけではないので、各分野の専門性を持つメンバーの経験や意見を尊重して任せるようにしています。ただ、その中でも大事にしているのは「目線」です。「どういうものを作りたいのか」を共有し、少しずれていると感じたら方向修正するようにしています。

他にも、各エンジニアメンバーのキャリア志向を意識するようにしています。めざすキャリアパスは、メンバーによって様々なので、コミュニケーションをとりながら、仕事をお願いするようにしています。

PxDTならではの特徴があれば教えてください。

先程の話と少し重複する部分がありますが、「距離が近い」ことだと思います。

ビジネスサイドとエンジニアの距離もそうですが、現場ともかなり距離が近いです。難聴者支援のプロジェクトでは100名近い難聴の方にデモを体験してもらい、生の声を頂き、開発にフィードバックするようにしています。

一般的には、マネジメントの立場になると現場から離れることが多いと思いますが、現場感を持ちながら開発をマネジメントできるのは有難いです。会社としても、どのプロジェクトでも現場に行くことを大事にしていて、代表の落合もそういう志向です。未来のお客様の生の声を聞くことができ、「自分が生きているうちに、こんなデバイスが出てくるとは思わなかった!」と想像以上に喜んで頂けるのを見ると、心が震えるような感覚がありますし、開発の励みにもなります。

また、開発の全工程を体験できることもPxDTならではではないかと考えています。このプロジェクトも最初は先行研究から始まりました。そこから技術を育て、量産まで行き着くのに様々な障壁があります。この障壁をチームメンバーと一緒に乗り越えてきた経験は私にとってかけがえのない財産となっています。

西村さん自身が今後チャレンジしたいと思っていることがあれば教えてください

最初に話した通り、元々教育に興味があったので、人を育てていきたいというところに思いがあります。このプロジェクトを成功させて事業を拡大させていきたいですし、新しい事業を作っていくこともやりたいと思っています。また、PxDTの特徴として産学連携もあるので、積極的に関わっていきたいです。PxDTでのこのような活動を通して、次の世代に引き継ぐ、良い循環を作ることができたらと思っています。

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